『母を語る』(NHK番組「ラジオ深夜便」の書籍化)
ご紹介します。
インタビューの仕方によって、お母さんの話をうまく引き出せているところが参考になりました。(自分史活用アドバイザー・可部田ゆかりさん)
読み終えて
調べてみると「ラジオ深夜便 母を語る」は何冊か出版がされています。可部田さんが手にされていた第三集の装丁に惹かれて取り寄せました。
聞き手の遠藤ふき子さんがお母さんのことについて問いかけ、十人が語ります。いずれも著作のある方々で、著名人といっていいでしょう。
語り手は著名人ですが、母は無名です。それぞれに語ることのできる母がいて、人としての起源の半分以上は母からできているのだと気づかされます。
母は、分身として生を授けてくれたひとです。母は、もっとも密接な他人として人間形成を促してくれるひとでもあります。母は、病にふせあるいは衰え、去り行く姿も学ばせてくれるひとでしょう。
「記憶の断片を集めてみると、こんな楽しい思い出があったんだなあと意外な感じがします。」(山田太一さん)
「話をするのは面白いですよね。話すことではじめて気づくことがあるのですから。」(宮田亮平さん)
「この機会をいただいて、思い直すことができました、母のことを。」(徳永進さん)
私は、これまで「お母さんはどんな人ですか」と誰かから問いかけられた覚えがありません。もしそういう機会があったら、私は何の中から何が出てくるのだろうか、と自分に問いかけながら、読了しました。
さて、ラジオで聴いたら印象は違うのかもしれません。残念ながら現在は放送されていないようです。埼玉県の川口市にあるNHKアーカイブスなら録音を聞けるかもしれません。一度足をはこんで耳に入れてみたいと思います。
文責:自分史カフェ・本間浩一 2020/6/13
この本(第3集)は・・・
語り手:山田太一、澤地久枝、千玄室、黒沼ユリ子、宮田亮平、徳永進、吉永みち子、出久根達郎、毛利子来、姜尚中
聞き手:遠藤ふき子
出版社: NHKサービスセンター
発売日: 2011/8/18
読みたいときは
一般向けに販売されています。第3集の、Amazonの商品ページを紹介します。
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